大化けが期待される銘柄を厳選紹介
防衛だけでは終わらない 三菱重工、「AI電力需要」でガスタービンが新たな成長エンジンに

防衛関連株の代表格として市場をけん引してきた三菱重工業(7011)が、新たな評価軸を獲得しつつある。足元では2026年度の防衛・航空分野の受注高が前年度を下回る見通しとなったことから、短期的な利益確定売りが先行する場面も見られた。しかし、市場の関心は防衛事業だけではなく、AI時代の電力需要を支えるガスタービン事業へと急速に広がっている。
生成AIの普及によって世界各地でデータセンター建設が加速し、電力不足が新たな経済課題となっている。こうした状況を受け、ガスタービンによる大規模発電設備への投資が再び活発化しており、三菱重工は世界トップクラスの高効率ガスタービン技術を武器に大型案件を相次いで獲得している。市場では、防衛関連企業という従来のイメージから、「AIインフラ関連株」へと評価が変わり始めている。
会社側が示す「30年までに300台超」という成長シナリオも投資家の期待を高めている。世界的なAIデータセンター増設だけでなく、新興国の電力需要拡大や老朽火力発電所の更新需要も重なり、ガスタービン市場は長期成長局面に入ったとの見方が強い。受注残高の積み上がりは中長期の収益安定にもつながり、業績の下支え要因として注目されている。
エネルギーインフラ関連ではIHI(7013)も存在感を高めている。航空・宇宙、防衛に加え、エネルギー設備でも高い技術力を持ち、AI時代の電力インフラ整備という新たなテーマの恩恵が期待される銘柄だ。防衛関連だけでなく、発電設備や脱炭素分野への展開も評価材料となっている。
また、送配電インフラ関連にも資金が波及している。フジクラ(5803)や古河電気工業(5801)、SWCC(5805)は、データセンター向け送電設備や高圧ケーブル需要の拡大を背景に業績改善が期待されている。AI革命は半導体だけでなく、電力を運ぶインフラ企業にも成長機会をもたらしている。
さらに、AI向け設備投資の拡大は半導体関連にも引き続き追い風となっている。東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)はAIインフラ構築の中心を担う一方、三菱重工はそのインフラを動かす「電力供給」の側面から恩恵を受ける構図となっている。
市場では、防衛関連受注の一時的な減少だけを材料に三菱重工を評価する見方は後退しつつある。むしろ、防衛、エネルギー、AIインフラという複数の成長テーマを持つ企業として、中長期的な企業価値に注目する投資家が増えている。AI時代に必要なのは高性能半導体だけではなく、それを24時間稼働させる安定した電力供給であることが改めて認識され始めた。
防衛相場の主役として脚光を浴びた三菱重工は、今やAI時代のエネルギーインフラを支える中核企業として新たな成長ステージへ踏み出している。ガスタービン事業の拡大が現実味を増すなか、市場では「防衛株」から「AIインフラ株」への評価転換がさらに進む可能性がある。
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